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おわりに

マニュアルの先へ…マニュアル服ではない、本当のファッションに近づくために参考になりそうなことを挙げました。

自分のスタイル

自分の似合うスタイル、自分の好きなスタイルというものはさまざまですが、 マニュアルを読んでしまうと、それに近い系統が似合うと思い込みがちです。 初めのうちはマニュアルをなぞっていくのもいいでしょう。 しかしながら、スタイルは多様であり、 何でも細くてウエストがシェイプされていれば良いものでもありませんし、 ジャケットを着ていれば全て解決ではありません。 シックな感じが必ずしもいいわけでなく、 気が抜けた感じがいいかもしれませんし、 ポップな感じがいいかもしれません。 自分に似合うスタイルというのは自分で試してみなければ分かりません。 意外とジャケットよりジャージの方が似合うかもしれませんし スニーカーより革靴の方が似合うかもしれません。

また、今の時代、今の年齢でしかできないスタイルも存在します。 強い先入観を持たずに自分のスタイルが見つかることを願っています…

これからの指針

1:街角観察

やや人並み以下と感じる時に特に有効です。 観察する場所にもよりますが、街を歩くのに向いている実用的な着こなしが身につくでしょう。 ただし、いま一つなコーディネートも多く、じっくり観察もしにくいのが欠点です。 ものすごくお洒落な人は有名な場所でもそれほど多くはないようです。 奇抜とお洒落は別物、そして多くの場合は逆なので、参考にする対象を選ぶ能力が必要です。

2:雑誌

初めて雑誌を見たときは意味不明な情報の羅列だったとしても、 少し経験をつんでからだと、得られるものが増えていることに気づくと思います。 例えば、このアイテムはこのように合わせるといいのか、 こんなコーディネートも面白いかな、 ここのブランドはこのくらいの値段だったのかなどを知ることができます。

3:コレクションの写真

パリやミラノ、春夏とか秋冬といったものです。 高級感を前面に押し出した、いかにもお金持ちなコーディネートから、 過剰なまでのセクシーさを押し出したコーディネート、 舞台衣装としか思えないようなコーディネートまであり、 そのまま真似できるような実用性が高いコーディネートは少ないのですが、 非常に勉強になります。 例えば、色合わせの見本とするのが使いやすいのではないでしょうか。 他にも今期やってみたいコーディネートの参考にしたり、 どんなアイテムがよく使われているのか、 使いにくいアイテムはどうやって合わされているかを調べたりと、 なかなか便利です。 また、具体的な効果はなくても美的感覚を磨くという面で貢献してくれます。

4:実物の観察

とにかく実物を見なければ話になりません 同じ服でも個人の体型や雰囲気で服自体のイメージも変わりますし、 細かい質感などは実物を見なければ感じることはできません。 何度も言いますが、試着は最も重要です。気になるものは実際に着てみましょう。 そもそも、服は実際に店頭に出向かなければ買うことができません。 また、店員さんの着こなしも参考にできますし、コーディネートのポイントを教わることもできるでしょう。

番外編:掲示板に参加する

困ったことはツリー掲示板で聞いてみると、 心優しい方が答えてくれるかもしれません。 いい回答が返ってくるかは質問者次第です。 質問はできるだけ具体的に書き、お礼は忘れないようにしてください。

こちらの掲示板ではもっと深い話がされていることがあります。 独特な雰囲気なので好き嫌いはありますが、参考になるかもしれません。 ただし、基本的に質問掲示板ではなく情報交換の場なので、あからさまな質問は相手にしてもらえないかもしれません。 また、この掲示板は暗黙のルールで成り立っています。 それが分かるまでは読んでいるだけにした方が賢明でしょう。 もちろん、ルールが分かった後は盛り上げてもらえると助かります。

服装の系統

参考までに服装の系統をいくつか挙げてみました。


1:カジュアル

自然なかっこよさを意識したスタイル。 適度なユーズド感も好まれているようです。

太さは普通〜やや太め。

色はベージュやカーキなどのアースカラーでまとめてみたり、 ピンクのカットソーのレイヤードなど鮮やかな配色まで多様ですが、 あくまでかわいらしい程度の鮮やかさ。 また白と黒など堅めの配色もあまり好まれないようです。

若い人ならば幅広く似合うのではないでしょうか。 体格が良かったり色が黒い人でも似合いやすい、ある意味稀有なスタイル。 ただし、ある程度年が行くと子供っぽい印象を与えてしまうかもしれません。 その場合は色使いやサイジングに気を使うといいでしょう。


2:きれいめ

全体的にこざっぱりしたスタイル。 幅広い年代から嫌われることがないスタイルのように思えます。 当サイトが意識しているスタイルです。

太さはやや細め〜普通。抑えた色使いが多いようです。

色はあまり黒くない、やや痩せ型の人が似合いやすいため、 スポーツマンを自負する方の良さを引き出しにくいスタイルのように思えます。 服装がおとなしい分、中身の人間を押し出すので中身の人間の質が問われますが、きれいめに限ったことでもないでしょう。 大人っぽいおとなしいスタイルなので、 高校に入ったばかりの人など年齢が低いと合いにくいスタイルだと思います。


3:モード

モードとひとくくりにするのは難しい多様さを持つスタイルです。 ブランドを多用するのが特徴で、派手さや高級さを持ちます。 デザイナーの才能により、一見普通の服のようにみえても、ただならぬオーラを放ちます。

太さは細めを中心に激細〜激太まで多様。色使いも一色のみ〜全身蛍光色まで多様。

ブランドを多用するのでお金をかなり持っている人が絶対条件… と思いきや、実際は服のために働き、服につぎこむことを厭わない服オタクが多いようです。 細い服が多いので、それなりに痩せている必要もあります。 基本的に海外物なので、身長がないといくつかのブランドは諦めざるをえないかもしれません。 また、平気でカットソーにもドライマークが付くので、 手洗いなど服のメンテナンスに手間をかける必要があります。 服地獄に墜ち行く自分を喜べる人に。

マニュアルを終えて

マニュアル終了おめでとうございます。

しかし本来ならばマニュアルはもう一ページなければいけません。 というのも、ここまで読んだだけでは、こなれていない服装になりがちだからです。 とはいうものの、こればかりは人によるので、マニュアルで教えることはできません。 お洒落な人はそのノウハウを無意識に身につけている人と言えるかもしれません。

試行錯誤を繰り返ししっくりくる服装になれた時点で、 本当にマニュアルを卒業できたと言えるでしょう。 もし困ったことがあればもう一度マニュアルに戻ってきてください。 何か参考になることが載っているかもしれません。

ここまで実践するのにはかなり勇気が必要だったと思いますが、 とりあえずひどい格好からは脱却できたのではないでしょうか。 ただ、おしゃれなレベルに引き上げたわけではないので 「今日の服、おしゃれだね。」とは言われなかったと思います。 そこからおしゃれを目指すか、今度は中身を磨くか、 それとも自分の好きな道へ没頭するかは、他人に迷惑をかけない限り自由です。

しかし服は必ず着なければならないものですので、 半ば強制されている気がするから、ではなく、 ファッションとして一つの楽しみにしてくれればうれしく思います。

Last updated:Aug. 3, 2005