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コンタクトレンズについて 2005年5月7日付

お洒落の上では、コンタクトの方がお手軽です。 一人一人にあったメガネを探すのはとても時間の掛かることだからです。 しかし、コンタクトは目に直接触れる器具です。メガネを比べて、手入れに非常に気を使います。あまりに悪い取り扱いをすると失明することすらあります。正しい取り扱い方を把握しましょう。

コンタクトの特徴

利点
  • 見た目が裸眼と変わらない
  • 視野が広い
  • メガネと違って視界がゆがまない
  • メガネと違って曇らない
  • メガネをかけるにしても、度を入れなくていいので安く済む
欠点
  • 目に悪影響を及ぼす可能性がある
  • ケアが必要
  • 費用が掛かる
  • 目をこすると傷がつく
  • 目薬の種類が制限される

コンタクトレンズの選び方

コンタクトレンズは医療器具です。自分に合ったものを信頼できる眼科医と相談して選んでください。個人差が非常に大きいため、人に合うレンズが自分にも合うとは限りません。

お店によっては「売りたいレンズ」を売りつけてくることもあります。特定のレンズやメーカーを勧めてくるところは怪しいかもしれません。「誰でにも絶対に合うレンズ」は存在しないからです。

眼科医は、レンズの種類やケア方法について細かく指定をしてくるそうです。医師によってはあえて酸素透過度の低いレンズを処方することもあります。ただ、医師本人もよく理解せず指定してくる場合もあるようです。疑問があったら一つ一つ聞いてみて、納得してから選択しましょう。

コンタクトレンズの購入

コンタクトレンズの購入には医者の処方箋が必要です。コンタクト屋で買うにしても、店舗常駐の医師に見てもらってからとなるので、保険証を忘れないようにしましょう。ただ、コンタクト屋の医者は専門医でないことも多いため、眼科医に処方してもらった方が安全です。しかし、眼科医はかなり高い価格でレンズを売りつけてくることもあります。処方箋だけ書いてもらってコンタクト屋で購入するのでもいいでしょう。

また、初めてコンタクトを購入する場合、装着やケアの仕方などを教えてくれるようです。30分から1時間は掛かるので、時間には余裕を持たせて店頭に出向きましょう。

安いから・面倒だからといってネットで買うのは避けましょう。海外の怪しいレンズは特に危険です。

定期検査について

3ヶ月に1度と言われていますが、多くの人は忘れがちです。ものぐさな人は、使い捨てレンズを3ヶ月分だけ買うようにすれば半強制的に検査を受けることになるので安心です。

各コンタクトレンズの特徴

ハードコンタクト

長所
  • 酸素透過度がとても高い
  • レンズが瞬きで動きやすいので、酸素を多く含む新鮮な涙に交換されやすい
  • レンズの面積が小さく、目の負担が少なめ
  • 視力矯正力が強く、また乱視矯正も得意
  • 汚れにくく、乾燥を感じにくい
  • 寿命が長い(2〜3年)ので費用を抑えられる
  • ゴミが入ると痛いため、目が深く傷つく前に気が付く
  • 素材が汚れにくいため、アレルギーを起こしにくい
短所
  • 異物感があり、慣れが必要
  • 少しゴミが入るだけでかなりの痛みを感じる
  • ずれやすいため、激しいスポーツには不向き

装着感に劣りますが、目に優しいレンズです。装着感に慣れることさえできれば、利点が多くおすすめできます。


ソフトコンタクトレンズ

使い捨てとそうでないタイプの二種類があります。 ソフトコンタクトの特徴はハードコンタクトの反対と考えてると分かりがいいでしょう。柔らかいので装着感はとても良いが、酸素透過性が悪く、目にあまりよくありません。

ソフトコンタクトレンズ(非使い捨て型)

長所
  • 装着感がよい
  • ずれにくいため、スポーツに向く
短所
  • 安全性に劣る
  • 汚れやすい
  • ゴミが入っても気が付かないため、目に深い傷ができる可能性がある
  • ハードに比べ交換周期が短く、コストがややかさむ
  • 定期的な蛋白質除去作業が必要
  • 乱視矯正に弱い

安全性に劣る上、2週間交換型のレンズと、コスト面の優位がなくなってきているので、あまりおすすめできません


使い捨てコンタクト

一日使い捨て型、一週間連続装用型、二週間使い捨て型の3種類があります。

基本的な特徴は、非使い捨て型と同じですが、ソフトコンタクトの汚れやすさという弱点を、使い捨てることでカバーしています。また、レンズの代えが効くので、なくす心配をせずにすみます。

使用期限は絶対に守ってください。コンタクトレンズのトラブルの原因で最も多いのが、期限を越えた使用です。「見た感じ汚れていないから」と期限の切れたレンズをそのまま使用する人が居ますが、そもそも、目で見えるレベルまでレンズが汚れるわけがありません。

また、使用期限とは「使用日数」ではなく、「開封日からの期間」のことを指します。二週間レンズで、開封後二週の間で二日しか使用していなくとも、新しいものに交換してください。

二週間使い捨てコンタクト
長所
  • 使い捨てレンズの中では低コスト
  • 蛋白質除去は基本的に不必要(体質による)

装着感とコストパフォーマンスの両立を考えるとおすすめ。2週間で交換するので、非使い捨て型に比べ、各種のトラブルを避けられます。


一日使い捨てコンタクト
長所
  • トラブルが少ない
  • ケアは不必要
短所
    短所
  • 非常に高コスト

ソフトコンタクトでは最もトラブルが少ない種類。コストを無視することができ、また装着感を気にする人には向いているでしょう。

常用するのでなくても、旅行に行く時や予備用に持っていると便利です。


一週間連続装用コンタクト
長所
  • 一週間は着けっぱなしでケアが不要
短所
  • 将来何らかの目の障害を起こす可能性が非常に高い

現在では、目への悪影響が強く、新しく処方することはあまりないようです。現在このレンズを使用している人も、連続装用をする必要があればハードコンタクトに変えることを考えましょう。

特殊なレンズの紹介

シリコンハイドロゲルレンズ

ソフトコンタクトの一種で、 新素材を使い従来のソフトコンタクトとは比較にならない量の酸素を通します。 まだ新しいので現時点(2005年春)ではO2オプティクスしかありませんが、 アキュビューアドバンスなど近いうちに他社からも発売が予定されていますので、 しばらくしてから自分の目にあったものを選ぶのもいいでしょう。

シリコンハイドロゲルレンズは一部のMPS(マルチパーパスソリューション、一本タイプのケア用品)の影響により、 化学物質過敏症を引き起こすという情報がありますが、 米国では30日間(!)連続装用のデータしかなく、 ケアをしたデータがないので国内での報告待ちです。 現時点(2005年春)ではAOセプトとオプティフリープラスが推奨されているようです。 新素材だけに分からないことも多く、海外で数多くの問題が報告されているようなので、 定期検査を欠かさないほうが良いでしょう。 できればコンタクトレンズの知識の豊富な眼科医に処方してもらいましょう。

カラーコンタクト

ソフトコンタクトレンズの一種。レンズに色素が入っているため、普通のソフトコンタクト以上に酸素透過度が低いです。また、レンズが変色しても気づきにくいことがあります。

非使い捨て型のカラーコンタクトは、目の障害を起こす可能性が高いのでやめましょう。どうしても使いたい人は、1日使い捨てか、せめて2週間交換型にしましょう。とはいえ、これらのレンズでも常用は避けてください。8〜10時間程度で外すのが理想とのことです。

レンズの中央部は、色が付いていないか薄いため、視界に色がつくことはありませんが、人によっては着色部分が視界の端に見えることがあります。

ちなみに、カラーコンタクトをした目を接近して見るとちょっと怖いです。

レンズの寿命について

ハードは2〜3年、ソフトは1〜1年半です。しかし、実際には、寿命を遥かに超えて、レンズが不調になってきた頃に買い換える人が多いそうです。正しくケアをしていても汚れは蓄積していくので、寿命を超えた使用は目に負担をかけることになります。大切なところでお金をケチらないようにしましょう。

ケア用品

ソフトコンタクトの場合

一般的なのはMPS(マルチパーパスソリューション)という一本タイプです。オプティフリーやコンプリートが有名です。同じ液でそのまま装着できるため、お手軽で、費用も安めです。しかし、洗浄力が低いのをこすり洗いで補っていますので、こすり洗いを忘れないようにしてください。また、レンズケースに付いた菌が増殖しないよう、新しいボトルに交換する際に、液に付属している新しいケースに交換してください。

MPS以外に、こすり洗いのいらない過酸化水素タイプもあります(本当は必要らしいですが)。最近ではコンセプトワンステップのような、液と中和剤を入れるだけという手軽な商品もあります。レンズを破ったりなくしたりというトラブルがないのですが、費用は高めです。ワンステップ型でないものは手順に注意してください。中和を忘れると目に染みてかなり痛い思いをすることになります。過酸化水素タイプの場合ケースは別売りですが、半年くらいで交換すると良いでしょう。

なお、ソフトレンズは細菌やアメーバの繁殖、浸透圧などの関係から水道水を使うことはできません。

ハードコンタクトの場合

レンズを外した後、液につけるだけ、朝目に入れる前に水道水ですすぐ、というタイプが主流です。 その中にも「一液タイプ」「使い始めに混ぜるタイプ」「二液タイプ」の三種類がありますが、「一液タイプ」は多少洗浄力に劣るそうです。また一週間液を変えない商品もありますが、トラブルが多いのでやめましょう。

酸素透過性について

角膜には血管がなく、主に空気中から酸素を得ています。しかし、コンタクトレンズは角膜を被い尽くすため、少なからず酸素の供給を遮ってしまい、角膜に大きな負担を掛けます。そのため、長年コンタクトレンズと付き合ってとき、そのレンズの酸素透過能力が重要になってきます。

一般的な傾向として、ハードレンズの方が酸素透過性が高いです。なので、できればこちらをおすすめしたいところです。 

ハードコンタクトはDk値で、多くのソフトコンタクトは含水率(水が多いほど酸素を通す)で表しています。

ただし、必ずしも酸素透過性の高いものを選べばいいというわけではありません。より酸素を通すということは、素材の間の隙間が大きいということであり、耐久性が低いということだからです。アレルギーを招く可能性もあるため、よく眼科医と相談して使用するレンズを選びましょう。

参考リンク

(すべて2005年5月7日アクセス)